山のぼり ツアーレポート

2021/7/30  赤谷山ー池平山縦走

パワーゾーンのエースガイド、高橋守氏をして
「現在のパワーゾーンで企画されているツアーの中で最強の難ルート」
と称されるこのルート…
一体どんな3日間になるのでしょうか

ガイドの竹林です。

今回は北アルプス剣岳の北方稜線の北部にある赤谷山(あかたん)から池平山の縦走コースを案内してきました。
今回のツアーは7/30〜8/1までのの3日間の日程です。
初日は富山県上市町の上市駅に8:00に集合。タクシーで40分ほどかけて登山拠点の馬場島に移動します。

8:50登山開始です。
最初はコンクリートで覆われた作業道を50分ほど歩きます。
登山道に入るとまずいきなり渡渉があります。
沢沿いをなだらかに登って行きます。
何度か渡渉を繰り返します。
まだ標高の上がらないこの辺りではとても暑いので、時折沢水で体を冷やしながら登って行きます。
馬場島から4時間ほどで樹林帯を抜けます。
岩がゴロゴロしたガレ場に出ればブナクラ峠はもうすぐです
13:15
順調にまずはブナクラ峠に到着。
段々ガスってきたこともあり、暑さからは解放されました。
藪が覆いかぶさっていますが、この辺りはまだ踏み跡も明瞭でマーキングテープも多数です。
一か所急斜面の雪渓を登ります。
結構な急斜面なので、慎重に登ります。
15:51
赤谷山山頂到着。
初日はこの山頂にテントを張って宿泊します。
山頂の東側には大きな雪田があり水には事欠かないですが、テントが満足に張れる平らなスペースは意外とない…。
皆さん多少傾いた場所でのテント泊となりました。
2日目は3:30に起床し、朝食を食べ体調を整えます。
夜半に降り続いていた雨もあがり5:00に赤谷山を後にします。

ここから本格的な「難コース」の始まりです。
基本的に踏み跡はあります。
ですが次第に藪が濃くなります。
5:58
白萩山に到着。

さてさて、ここからが本格的な激藪突入です。
一応踏み跡はありますし、そこをたどる事は出来るのですが…。
周りの樹が粗みあってきて歩行スピードが極端に落ちます。
東側に草原があったため一旦藪から脱出しますが
やっぱりダメ
すぐに藪の中に戻されてしまいます。
9:03
ようやく赤ハゲに到着。
白萩山から3時間も要してしまいました。
この辺りから予定していた時間から徐々に遅れが生じ始めます。
気持ちには焦りが出始めます。
ですが激しい藪の中どんなに焦っていても一向にペースはあがりません。
前半戦の岩峰には巻き道があります。
白ハゲに着いたのは11:17でした。
順調にいってもここからこの日の宿泊地である池ノ平小屋までは約9時間を要します。
つまり…20時を過ぎてしまうという事です。
それも順調にいっての話です。
この日のここまでの状況を考えれば順調にいくとはとても考えにくい事でした。
大窓への大下りは西側のルンゼをおります。
ルートを記すマーキングはあるのですが、ここもまた藪です。
しかも時折背丈を越すハイマツが右から左から絡み合っていて中々身動きが取れない場所もあります。
体力が…
どんどん奪われていきます。
13:15
ようやく大窓に到着です。

しばし休憩したのち一旦は出発をしましたが、すぐに思いとどまりました。
「ここから先に進んでしまってはもうまったくエスケープの方法がなくなる…」
この日赤ハゲで予定が遅れて以来ずっと頭の中でエスケープの方法を考えていました。
1.赤谷山に引き返し、翌日馬場島に戻る
2.小屋に迷惑をかけるが暗くなっても小屋まで辿り着く
3.大窓でビバークし、翌日中仙人谷を下り馬場島に戻る
4.大窓でビバークし、翌日予定通り残りの行程をたどる

本当に悩みましたが、大窓まで来る間にまず(1)の選択肢は消滅。そしてこの時点での全員の疲労度を考えると当然(2)の選択肢も危険すぎて消滅。
残すは(3)、(4)だけとなります。
つまりどちらにしてもビバークが必要になります。
まずは参加者の皆様にビバークをする事を説明します。
皆さんも驚かれてはいましたが、他に選択肢がない事はすぐにご理解いただけました。

そしてその後皆さんと相談したところ(4)の選択肢をとる事になりました。
この時点で行程が2泊3日から3泊4日に1日延びる事が決まりました。
意を決したビバークから、翌日は結局池ノ平小屋までの行程にしました。
大窓まで来ていた事からもう少し行程を伸ばし真砂沢ヒュッテまで行こうかという案もあったのですが、前日の疲労困憊を考え軽めの行程としました。
朝も少し余裕をもって6:30に出発です。
大窓の頭までの登りは急斜面です。
踏み跡はしっかりあるのですが、時折落石の頻発するガレ場があります。
9:07
大窓の頭に到着。
この日は時間に余裕がある事と前日の疲れを考慮し、ゆっくりゆっくりと歩くことにしました。
休憩もなるべくゆっくり取りました。
大窓の頭から池平山までの縦走路。
ここからは険しい岩稜帯となります。
岩場は慎重に。
池平山北峰の手前の岩峰は左の巻き道を行きます。
ここも脆く崩れやすいので慎重にクライムダウン。
すると岩壁にあたります。
このルートで2箇所あるクライミングポイントの1つ。
ロープ確保してのクライミングですので、大胆に登っちゃってください!
ゲストの方が撮影してくれました (笑)
クライミングポイントから北峰までは急斜面をひと登り。
11:30、池平山北峰到着。
いよいよこの縦走路も残すところあと池平山南峰だけです。
南峰の直下。
ガスっちゃって全然見えませ〜ん
南峰山頂手前のクライミングポイント。
カメラを向けるとピースサインをする余裕の出てきた藪好き(私が勝手に命名)のゲストHさん。
Hさんは今年の5月に激藪の願教寺山を経験したことで藪に対する自信をつけ本ツアーにエントリーしたそうなのですが、流石にもう懲りたとお話しされておりました。(笑)
13:35
苦労した縦走路のゴール、池平山南峰に到着!
今回は3名のゲストの方々が力を合わせてこの難コースを何とか乗り切りました。
15:16
池ノ平小屋に到着。
ガスガスで全然姿が見えない、中我々の声が聞こえた所で小屋の前の鐘を打ち鳴らし到着を歓迎してくれました。
表で待ち構え拍手をして、
「お疲れ様でした!お風呂沸いてますよ。」
なんてジーンとくるお言葉でしょうか。
池ノ平小屋の方々の人間味には本当に感激させられました。
前日の不泊をお詫びした後五右衛門風呂を堪能し、ビールでゲストの方々と乾杯しました。
いよいよ最終日です。
居心地の良かった池ノ平小屋の方に見送られて6:00に出発。
8:13
剱沢の二股に出ます。
久しぶりに標高1,600メートルに下りて来たため、暑い…
ここ危ないです
9:32
真砂沢ロッジに到着。
ここまででも結構疲れました。
ここからがいよいよ剱沢雪渓の雪渓歩きになります。
ヒンヤリとして気持ちがいい〜
12:06
剱沢小屋に到着。
雪渓に入ってからはペースがあがりました。
雪渓は一定のペースで足が運べるので夏道より歩きやすいです。
13:17
剱御前小屋。
順調、順調。
御前小屋からは500メートルの激下り…。
雷鳥沢からは200メートルの登り返し…。
疲れた身体に鞭を打ち、ようやく今回のツアーのゴールに辿り着きました。

15:30
立山室堂バスターミナルにて解散。
本当に本当に大変な4日間でした。
最後はゲストの方々も大きな達成感を感じておられました。
ご参加下さりありがとうございました。
またお会いできる事を楽しみにしております!

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