梅雨の登山は急な変更も多くなってしまいます。
我々ガイドの急な変更にもお客様が柔軟に対応してくれて
助けられる場面もあります。

登山初日の集合は新潟駅に11時。
新潟駅から日本国の登山口「旧小俣小学校」まで
2時間半ほどドライブ。登山開始は13時40分ごろでした。

登山開始直後はちょっと急な斜面をトラバースぎみに登っていきます。
急な斜面と聞くと大変そうですが、踏み跡もあるので意外と歩きやすいです。
一度、尾根にのってしまうと緩やかな遊歩道。
登山と言うよりも、もはや散策と言った感じです。

遊歩道の途中に休憩用のベンチが2箇所あります。
景色の良いポイントなのでここで休憩。目の前には粟島が見えました。

14時55分。標高455m。
蛇逃峠。ここには東屋もあり展望も良かったです。
ここからは朝日連峰や祝瓶山も見えます。

15時15分。標高555m。日本国山頂到着。
蛇逃峠からも歩きやすい遊歩道が続いており30分ほどで山頂です。

下りは蛇逃峠までは往路を辿ります。
蛇逃峠からは蔵王堂登山口に向けて降りていきます。
蔵王堂コースは下りはじめは、少し急なつづら折れの登山道です。
細かい石がザラザラとしているので、石車で足を滑らせないように注意が必要です。
急斜面が終わると緩やかな杉林をのんびり歩きながら蔵王堂の脇を通り抜けていきます。

16時40分。蔵王堂を過ぎたらゴールは目の前。
あとは、小俣の集落を20分ほど歩いて
「旧小俣小学校」の駐車場まで向かいます。

「旧小俣小学校」から宿の「あつみ温泉 久遠」さんへは車で約30分。
途中、コンビニに寄り道して2日目の登山の行動食などを買いながら向かいます。


海も山も近く両方の幸を一度に楽しめる豪華な御夕食でした。
パワーゾーンのツアーで泊まる宿はリーズナブルですが
それ以上のサービスが待っているので、いつも期待が高まってしまいます(^-^)

2日目の登山は雨予報が出ていたためグループを2つに分けてのツアー。
5時出発グループと8時15分出発グループ。
8時15分出発グループは宿でバイキングを頂いてからの、のんびりスタート。
登山口も変更して関川登山口から山頂を目指しました。


関川登山口は摩耶山に向かう最も安全で歩きやすいコースです。
登りはじめから緩やかな尾根を辿るコースです。
今回のツアーのように突然の悪天候に見舞われながらも
極力、雨に濡れる時間を減らしたいときはおすすめです。
登山道中の標高606mには三等三角点があります。


関川コースの魅力はブナ林をゆっくり、のんびり歩けるところです。
今回は特に雨だったことが、好都合でブナの木々が水を吸い上げて
生き生きしたように感じました。


10時10分。標高730m。関川登山口と越沢登山口の分岐。
ここまで約1時間、気持ちのよい森林浴をしながら歩いてきました。

摩耶山避難小屋。
中は地べたにベンチがあるだけで、寝転んだりはできませんが
雨風を、凌ぐには十分な空間でした。広さは10畳あるかないかぐらいです。

避難小屋からしばらくは緩やかな登りが続きますが
山頂に近づくにつれて急な所も出てきます。
ロープのはられた「鼻くくり坂」と呼ばれる所もあり、
足場が濡れて滑りやすくなっているので気を付けて登っていきます。

山頂直下は見所が多かったです。
六体地蔵。
「昔はここで六根を清浄抜して頂上御室前を拝す順序であったと云う。」
六体地蔵尊の標識より抜粋。

厩山の奥の宮。
雪に埋もれても潰れないようにコンクリートの祠で神棚が囲まれてました。

11時10分。1019m。日本300名山、摩耶山山頂に到着です。
山頂では山形県内の高校の山岳部の方たちとすれ違いました。
山頂は今までの樹林帯が嘘のように木がなくなっており晴れていたら360°のパノラマです。
下りは往路を辿り下山していきます。

下りは足元がぐちゃぐちゃで滑りやすくなっているので
登り以上に足元に注意しながら進みます。


関川の登山口に戻ったのは13時ちょうど。
そこから今度は翌日のツアーに向けて2時間40分ぐらい移動します。
途中に翌日の行動食を購入したり、車に給油したりしながらの長い旅路となりました。

宿の「白い森交流センターりふれ」合宿や研修に使われそうな施設でした。
お部屋は和室と洋室がありました。
お風呂は季節によって変わるのかもしれませんが、今の時期は「菖蒲湯」でした。

夕食は18時から。
鴨肉のお鍋やイワナのお刺身など
こちらの宿でも豪華で美味しい夕食をたくさん頂けました!

3日目の朝はおにぎりを用意してもらい、宿を出発したのが朝5時。
登山口の針生平は宿から車で2、30分の所にあります。

5時30分。針生平登山口を出発。
登山口には仮設のトイレが設置してあり、車も5~6台停められるスペースがあります。

登山道を歩き出して、最初に出てくるのがこの吊橋。「大石橋」。
ワイヤーと天板、鉄パイプの簡単な作りで如何にも揺れます!って感じです。
天板が濡れて滑るので、しっかり両サイドの
ワイヤーを掴みバランスをとりながら渡っていきます。

橋を渡ったあとも一本橋の徒渉があります。
ここも岩が濡れてる&苔コケなので
滑らないように慎重に渡りましょう!

鈴振尾根の登り口。
ここからがいよいよ登り。急登と緩傾斜が繰り返されるので
疲れて足が上がらなくなる前に、細かく休みながら登っていきます。

3日目は雨は降っていませんでしたが
スッキリとした晴れ間と言うこともなく、回りの視界は真っ白。
木の根も湿っていたのでこの日も足元に注意しながら登っていきました。

鈴振尾根は登るほどに傾斜がきつく、
標識810m~1,239mの一の塔のあたりが一番辛かったのではないでしょうか?


8時10分。標高1,239m一の塔に到着です。
ここから先は登りも緩くなり、登山道沿いにはヒメサユリやゴゼンタチバナ、
ナナカマドなど色々な花を楽しみながら登ることができました。

一の塔から山頂までは標高差約180m。
覆い被さる様な樹林帯も抜けて
足場はゴロゴロと岩が出てきました。

9時。標高1,417m。日本300名山、祝瓶山山頂に到着です。
山頂の標識を手で持って皆で順番に写真を撮りました!

下りは往路を辿りながら下山。
一度、雨がパラつきレインウェアを急いで
着る場面もありましたが、そのあと直ぐに脱いだり。
かと思えば一の塔を過ぎたあたりから、雲が晴れはじめて朝日連峰方面を望めたりと
何だか忙しい空模様でした。

登る時には見れなかった、祝瓶山山頂を振り返ってパシャり!
左の尖ったのが一の塔で右の丸いのが祝瓶山。


順調に標高を落としていき、登山口に戻ったのは12時30分ごろ。
昨晩お世話になった「りふれ」で宿泊者無料のお風呂をいただきました。
新潟駅に戻り解散したのは15時30分ごろでした。
3日間、中には5日間連続のツアーご参加のお客様もおり、
お天気に悩まされ、振り回されながらも楽しんでおられました。
皆様今回もツアーご参加いただきありがとうございます。