2020/9/16  笈ヶ岳 夏ルート vol 1

いつかは行けと言われると思っていた。
夏の笈ヶ岳

200名山の難峰
残雪期に十数時間かけて往復するのが一般的だが
最近林道が入れず残雪期に登れない

⇒じゃあ薮を掻き分けて行くしかない
⇒ややこしい薮山こそPZの得意技
⇒じゃあ行って来いと言われても仕方がない(笑)

そして遂にその日が来てしまった。。。
初見の薮山ガイドディング

ガイドもワクワクドキドキ?
それとも渋々?(笑)

1日目

石川県の山の奥
中宮温泉のそのまた奥の林道を走り終点まで突っ込む(4~5台は駐車可)
そりゃ~~まぁ車の泣く酷道ですよ・・・(T_T)
車高の高い車以外は覚悟を決めて行ってください。
出発準備を整える
薮山か・・・行かねばならんのか・・・

   

だがしかし、こんな山こそPZの出番(しゃあない)行きますか!(笑)
救いは天気予報がいいことだな
この先に取水口があるので林道から先は整備された道

    

谷底まで結構高さがある
水平道とも言うべき非常~に歩き易い道が付いている
この先、難儀な山に登るのがウソのよう
ず~っとこんなだったらいいけどね~

   

9月の中旬と言うのに蒸し暑い
20分程で奥ミズノ沢を横切る 渡渉と言うほどの事でも無く横断

   

ひと汗かいころに取水ダムに到着
初見なので登山道状況を中心にレポートしますね
【12:05】出発⇒【12:30】奥ミズノ沢⇒【12:45】取水ダム

   

ダムから先は徐々に道の様子が変わる 明らかに歩きにくくなる
でも、つい最近刈払いがしてある! これは運がいい!

   

ソリクラ谷付近は数年前に崩壊したらしく その後、道を再整備している模様
所々崩壊の名残あり 写真のような沢の横断も2カ所

   

ソリクラ谷の先は急登 ヘツリに近い道なので休憩適地は少な目
ソリクラ谷の次の沢(名前は??)で大休止
【12:50】ダム出発⇒【13:45】休憩した沢

   

休憩した沢から先は、沢底までの高さも出てくる
道も谷側に外傾していて歩き辛く&気が抜けない
しかも倒木も出てくる 胎内くぐりならぬ倒木くぐりも数カ所

   

難儀な道を下って さあ~~やってきました水晶谷!!
橋が撤去されたので何とか渡るしかない
飛び石出来る所を探すと数カ所ある
が、しかし、失敗するとダメージはデカいので要注意である
今回は水量も少ないし、ゲストの足前も良かったので問題なくジャンプ

   

実はこの水晶谷に着く少し前に
本日草刈りに入っていた ワサビ沢小屋の主たち一行に追いつき
「おう、笈ヶ岳か?なら俺たちが草刈った後にゆっくり来い!」
と言うお言葉を頂き、喜んでそれに従う事にしてのんびり後を追う事に決定
写真はそのご一行
草刈りありがとうございます!  
  
草刈りを待っていたので到着は遅めになったが 簡単な夕食を済ませて就寝
【15:45】水晶谷⇒【17:40】テント地

2日目     

秘密のテント場で快適に過ごして次の日
薄暗い中朝食を済ませる

明るくなってくると、今日の晴天を約束してくれる朝日に雲が焼けている
天気は味方してくれている!
あとは薮を漕ぐだけ!
【4:30】起床⇒【5:30】出発
   

清水谷を渡る少し手前にある分岐から笈ヶ岳に向かう
(分岐にマーキング等なし。よく見れば分かる)
薄い踏み跡を追って標高を上げる
本格的な薮漕ぎではない PZ的にはまだまだ序の口の薮コギレベル(笑)
ただ倒木が多数あって 越えたり潜ったり巻いたり なかなか難儀である

   

まぁでもマーキングもあるし 登りでは迷う事なし
倒木に悪態をつきながらも順調に進んで 例の殺生岩に到着
さて、ここから本番の薮コギらしいが如何に?
【7:30】殺生岩到着

   

先ずは殺生岩の基部をトラバース
悪いと聞いていたけどそうでも無し 薮を掴みつつ突破
踏み跡は(慣れていれば)明瞭で迷う事なし
&フィックスロープもあって目印になる

   

トラバース後ルンゼ状の地形を直登(フィックスロープあり)
まぁ(濡れていれば)滑りやすいね
腕力に任せてグイグイ登って右手を見ると
残雪期のルートの冬瓜山が見える その後ろに聳える白山
薮を漕ぎながら思う
・・・やっぱり残雪期の晴天の日に登るのがいい・・・(-_-;)

   

急登を終えて傾斜が緩くなると 本格的薮コギが始まる
だがしかし、かき分ければ踏み跡はある(所々不明瞭)
薮コギレベル中級(当社比)

   

笹を押しのけ灌木を潜り抜け 倒木を越える
全身を使っての登山 Born to be wildである(笑)
野生に帰ってガサガサ進んでいると山頂が見えてきた!!

   

山頂直下の急登を攀じ登り 視界が開けると・・・・!
感動の笈ヶ岳とうちゃーーーーく!!
薮漕ぎを突破してきた者にしか味わえない 不思議な達成感を感じる山頂である(笑)

   

展望は極上!! でも高曇りで日差しの暑さは無い
最高の薮コギ日和
写真じゃ分かりにくいが穂高~剱まで見える!!
【9:00】山頂着
20分ほど感動の山頂を味わって下山開始
味わった人は分かると思うが 薮コギは登りと下りで労力が全く違う
ガサガサ突き進む
しかし!これも味わった人は分かると思うが
薮コギの下りは簡単に道をロストするんだな~コレが。
でも長年PZのガイドをしていると慣れちゃうんだな(笑)

   

唯一の難所のルンゼの下降も無事通過
そして殺生岩に戻ってホッとする
さてここからは薮コギレベルが下がるから気楽だね
【9:25】山頂発⇒【10:50】殺生岩

   

倒木の通過も人が多く通るようになって道が出来れば、後々は楽になるでしょう
もしくは来年は鋸を持ってくるかな(笑)
少し道を探してウロウロしながらも 無事分岐に戻って薮コギ終了!!
【12:15】分岐到着

   

30分程でバタバタとテントを撤収して帰路
水晶谷を飛んで渡って ヘツリに気を使いつつ
くたびれた身体に鞭打って(薮コギは全身疲労だね)
やっと戻った取水ダム  あ~~長かった・・・
【12:50】テント場発⇒【15:50】ダム

   

歩き易いダムからの道すがら 道端にとぐろを巻くマムシくん
ワサビ沢小屋の主人ならとっ捕まえて 焼酎付けにしちゃうんだろうな~
とか思いつつ
帰りなのに登り基調の道で汗をかく

   

そしてやっとやっとで車に戻ってきた!
【16:55】下山
薮臭くなった体をお風呂で流す時間も無く
バタバタで金沢駅に戻ったのが【18:30】
長い1日がおわりました。

え~~~総評すると薮コギレベルは中級(当社比)
倒木が無ければもっと楽に行けそう
テント場から笈ヶ岳往復よりテント場までの方が気を使う難儀な道の印象

弾丸日帰りを狙う方は倒木のお陰で過去のコースタイムより時間がかかる事を覚悟してくださいね