かの有名な1584年の「佐々成政さらさら越え」
そして明治13年、日本初の有料道路と言われる立山新道にもなった針ノ木峠(さらさら越えは諸説ありますが)。
特に立山新道は、たった2年間とは言え幅9尺もあった牛馬も通れる道だったとか。
そんな道なら歩いてみたいと思うでしょ~?

1日目

と言うわけで企画された今回のツアー。
先ずは観光客あふれる黒部ダムへ【12:20】
まだまだ夏ですな。

干ばつレベルの晴れ続きでダムの水もめちゃ少ない。
このまま秋になったら大丈夫か??と心配になる。

まだ8月だから残暑じゃないね、夏真っ盛り暑さの中
ダム沿いのトラバース
こんな橋渡ったり~・・

木の根っこ潜ったり~・・・

こんな道を歩いたり~~・・・(基本的には歩きやすい道)
ちょっと歩き飽きてきたころに

平乃小屋に到着【16:10】
山小屋って言うか山奥のペンションって雰囲気の小屋でした。
ご飯もボリューム満点、何より350ml缶ビールが600円!!安い!!(笑)
泊まる人の半分は釣り客らしい。噂のイワナの刺身は出ず、残念(>_<)

2日目

そんな快適な小屋で一晩過ごして
見慣れない方向から黒部湖を眺めながら迎える朝。
本日も晴天なり!

昔は小屋の主人が渡船の船長も兼任していたらしいけど、今は違うらしい。
6時の便に合わせてダムから一艘の小舟が到着

初めての渡船にワクワク(笑)
釣りでもしなけりゃ船なんて乗る機会ないもんね。
本来はこの「しらとり」で渡船するらしいけど・・・

6時の1便目だけは、ダムから来た小舟で対岸へ
ほぼ凪の湖面を滑るように進む事数分

あっと言う間に対岸到着【6:10】
ちなみに黒部湖が出来るまでは吊り橋が掛かっていたらしい。
湖面が低いので急な木道を登って~~・・

ひと歩きして避難小屋【6:25】
ドア無しの小屋って言うか待合室的な感じ。

さらに進むと立山新道の名残らしき石畳跡(と思われる)が出現
大町の商人が糸魚川の塩問屋にぼったくられるので、自分で道を作って富山と商売しようと拓いたとかどうとか・・・まぁ昔の人は豪快ですな(^^;)
でも維持管理があまりに大変で2年で諦めたらしい。この豪雪地ならそりゃそうだ。
そんなロマンを感じるところが(ちょっとだけ)残っている。
詳細はこちら>>>針ノ木峠 | 信州Style (shinshu-style.com)

こんな平の快適なセクションもあり。
かつてはここに小屋とか茶屋とかあったかもね~。

な~んて考えながら歩いていたら、やっぱりこうだよねと現実を突き付けられる薮道に変貌(^^;)
でも決して薮コギというレベルじゃない(PZ基準)

で、ひょっこり河原に出る所で渡渉開始
干ばつ日照りのお陰で、水量は押しなべて少ないので危険は無し。
水量多ければこのロープが生きるんでしょう。
立山新道の時代は丸太橋で掛かっていたのだろうか?

若者の瞬発力とバランスがあれば飛び石で濡れずに歩くこと可(笑)
それが出来ない方は潔く靴を濡らすか沢靴で行きましょう。
自分は若者のフリをして頑張って飛び石渡渉を試みてみました(笑)
なんとか水没は免れたけど岩がヌメって危ないっス。

沢と藪を交えて歩いて渡渉する事数回。
マーキングはよく見て行けばあるし踏み跡もあるので、こんな道を慣れていれば問題なし。
ガッツリと高巻く所もあり(沢に滝でもあるのか?)
古道はどこを通ってたんだろうか??

見上げると針ノ木岳側の岩壁群
天気も上々!で見慣れない景色は良い!

上流に進んでくると水量も少なく平和になる。
今回は水量が非常に少ないからこんな感じですけど、多い時はジャブジャブ行くしかないだろうね~。

晴れて暑いので沢歩きが気持ちよさそうである。
沢靴で来れば良かったな~~。

とか何とか思っている内に船窪岳分岐到着【9:30】
水量のお陰か今回のゲストの足前のおかげか、早ッ!!

予定よりずいぶん早いので、焦ることなくのんびり進む。
分岐より先は明らかに人の手が入っていてカーキングも刈り払いもバッチリ!

マーキングに導かれて、針ノ木谷出合到着【10:00】
この調子だとお昼に小屋に着いてしまう。ビールが進んでお金がかかってしまうじゃないか!(笑)

出合から上は沢も狭まって急になり源流の趣が増す。

唯一難所らしいところはココぐらいか?
岩がヌメってなければそうでも無いけどね。
フィックスロープ握って突破!

次第に沢も涸れゴーロ歩きなってくる。
開けたところで上を見上げれば小屋が見える。もうちょっと!!

沢歩きの常で、最後は急登。
ただ刈り払いのお陰で薮コギ無し!!
出合からは薮コギを覚悟していただけにありがたや~~!!

槍ヶ岳さまのお姿に背中を押されながら、急登を喘ぐ。
ホンマにここに牛馬も歩く道があったんかいな~~と思って歩いていると・・・

針ノ木小屋到着~~!!【12:35】
最後の急登はしんどかった(>_<)
下山できそうな早い時間に到着したけど、ベテランの皆さんは針ノ木岳山頂に行く事も却下。
なので、PZとしては珍しく小屋で贅沢アイドルタイム。
8月最後の日の本日、さすがに山の上は秋の気温で、お陰でビールが進み過ぎずに済みました(笑)

3日目

最終日の朝は曇天。
でも昨日はガスで見えなかった信州側も今日はスッキリ!【6:00】

天気も良いので、折角だから山頂に行こうと満場一致。
雲は多めでも朝日に光る雲が美しい!

息を切らせて山頂到着!!【6:35】
裏銀座方面がズラリ!!
フォーーー!!景色最高ーー!!

八ヶ岳~富士山~南アルプスの遠景から~~・・

剱岳(右)~立山~五色ヶ原の近景。
すんばらしい!!

北アルプス北部と新越方面
そう言えば夏の針ノ木岳山頂は初めてかも!?

山頂を十分に楽しんで帰りましょう。
すこぶる歩きやすい道をガンガン下る。
確か針ノ木雪渓って三大雪渓だったような気がするけど、肝心の雪渓はどこへやら・・・・(^^;)

足前がいいから【10:40】に下山。

天気のいい扇沢はバスが並び、まだまだ夏真っ盛りでした。
通る必然性のない針ノ木谷ツアー。
でも夏の沢歩きは涼しいし、人の居ない道を古道のロマンを感じながら歩くのも良いもんですよ。
来年も企画しますので、是非~~!